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あきパパのつぶやき

弁証法的行動療法(DBT)

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今回の入院にはこの治療法の論文リストをいくつか持ち込みました。
カウンセラーを辞めニートになった僕には、
多忙なカウンセラーに代わって、カウンセリングについて学び、
それを勉強会などで伝える、役割がある。

弁証法行動療法(Dialectical Behavior Therapy:DBT)とは
ワシントン大学のマーシャ・リネハン博士(Marsha M.Linehan,PhD)
によって開発された治療法です。
境界性人格障害や薬物依存や自殺未遂をくりかえす重症のうつ病
カウンセリングに用いられています。

欧米においてその有効性が立証され、広く支持されている治療法です。

DBTの治療は大きく分けて4つの要素からなりたっています。

1マインドフルネス(Mindfulness)

2 対人関係のスキル(Interpersonal Effectiveness)

3 苦悩の受容(Distress Tolerance)

4 感情の統制(Emotion Regulation)

マインドフルネスとは簡単に言うと「あるがままを受けいれる」ということです。
何かつらいことがあると私たちはあれこれ考えたり悩んだりします。
私たちの力ではどうしようも出来ないことを「こうあってほしい」と望んだりします。
マインドフルネスとはそうしたことを考えず、辛いこともあるがまま素直に受けいれることです。

対人関係のスキルとは、他人との接し方の方法を変えるということです。
人格障害の人やそうでなくても他人とうまく関係を築けない人は
人とのコミュニケーションの仕方に問題があることが多いです。
繰り返しみられる問題パターンに気づきそれを修正していくのです。
自己評価が極端に低い人格障害の人も自尊心を傷つけることなく
コミュニケーションできるようになるのです。

苦悩の受容とはマインドフルネスの応用です。
つまり辛いことがあったときそれを素直に受け止めるということです。
そうすることでいつまでもくよくよせず、前向きにいきれるのです。

感情の統制はその名のとおり、感情をコントロールする方法を学ぶのです。
いらいらしてどうしようもなくなったとき、それを押さえ込もうとしても
かえってストレスはたまるだけです。別のことへ頭をきりかえたり、
前向きなことを考える時間を増やすのです。また感情が爆発したときに
普段とる行動と反対なことをやってみたりします。
そうしていくうちに感情がコントロールできるようになるのです。

日本もいくつかの機関がワークショップをひらいたりしていますが、
まだまだ臨床家で行っているのは非常に少ないといっていいでしょう。
欧米のすすんだ治療法を日本も早くとりいれ普及させてほしいと願っています。

さらに療法は、
仏教の禅の精神にその起源があります。リネハン博士が東洋の禅の思想に触れて
その素晴らしさを精神療法に取り入れたのです。
マインドフルネスとは治療に瞑想もとりいれ、毎日訓練することで自然に受けいれる
気持ちになっていくのです。仏教的にいえば執着がなくなるということです。