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あきパパのつぶやき

心の場所

「心の場所」

英語で心を意味する「heart」という語は同時に心臓を意味します。
「心」は心臓の位置にあると考えられていました。

最近の研究によって心は脳にあることがわかってきました。
さらに
心の場所は、大脳辺縁系。前頭前野の二ヶ所あることもわかってきました。

大脳辺縁系、前頭前野とは脳のどこにあるのでしょうか。

私たち人間の脳は、その進化とともに少しずつ発達してきました。
原始的な脳である「脳幹」を中心に、その外側に少しずつ新しい脳が「増築」されたような構造になっています。
その結果、身体の大きさに対する脳の割合でいうと、人間は一番大きな脳を持つことになりました。

脳幹は別名「自立脳」といって、呼吸、循環、消化などの自律神経機能、さらには咀嚼や歩行といった基本的な生命活動に必要な、運動を調節する機能が存在しています。

その脳幹の上に位置するのが間脳「視床下部」。
視床下部の別名は「生存脳」といい、食欲と性欲という生存に不可欠な働きをしています。

視床下部の外側に位置するのが「大脳辺縁系」。
ここは、喜びや悲しみ、怒りや恐怖などさまざまな感情が形成される場所なので「感情脳」といいます。

動物、特に猫や犬なろのペットが感情豊かな行動をするのは大脳辺縁系(感情脳)があるからです。

人間では大脳辺縁系のさらに外側で、脳の一番外側に位置する「大脳皮質」が発達しています。
人間が豊かな知能を持ち、言葉を使い、社会的な生活を営むことができるのは、大脳皮質が発達しているおかげなのです。

大脳皮質は、その場所によって大きく四つに分類されます。
顔のある側を「前頭葉」、両サイドを「側頭葉」、頭頂部付近を「頭頂葉」、背中側を「後頭葉」というのですが
前頭葉の中でも、最も前のほうに位置する部分を、特に前頭前野といいますが、心の場所の中心は、その前頭前野にあると考えられたいます。

(人間生物学の講義のオリエンテーションで話すことより)