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あきパパのつぶやき

原発推進派も事故が起こることを知っている

6年前に書いた環境科学の教科書を改訂しています。
スペースの関係で掲載できなかっらコラムがありました。

原発推進派も事故が起こることを知っている

 

「日本では原子力発電所の大事故は決して起こらない」と原発推進派の人たちは宣伝してきました。しかし、原子力発電所もまた機械であり、どんなに注意しても壊れます。何種類かの事故を想定し、その想定した事故に耐えられるように対策を施すのは技術の常道です。そして、事故が予定したとおりに起こり、施した対策が期待したとおりに働いてくれるのであれば、大事故は未然に防がれます。しかし、事故とは予想しなかった形で発生し、予想しなかったように進展するからこそ事故なのです。1999年9月30日に起きた東海村のJCOの臨界事故はまさに「原子力安全神話」が神話(信仰)であったことを物語っています。

 政府や電力会社は原子力発電所も大事故を免れえないことを充分に知っていて、原発電所を都会に建設しません。また日本での最初の原発ができる前、1961年に原子力損害賠償法を作り万一の大事故に備えています。

この法律はほぼ10年ごとに改正され、現法律では電力会社が600億円を事故のために準備しておくこと、それを超える被害が生じた場合には国が国会の議決を経て対処する旨が記されています。

 この法律で保護されてはじめて、電力会社が原子力発電に手を染めることが可能になったのです。その上、この法律には大事故の原因が「異常に巨大な天災地変又は社会的動乱」である場合には、電力会社はもともと賠償責任を負わないと書かれています。「異常に巨大な地震」、「戦争」などによって原子力発電所が大災害を引き起こしたとしても、電力会社は何の責も負わないと記されています。